GRAPEVINEのライブが中止になってから数日。
払い戻しに必要な発券済みのチケットをどこやったかなあ、などと記憶を辿るけど、何処かにやってしまった可能性が大きい。
中止にショックを受けている節があるところ、楽しみにしてたんだと思われる。
私はインドア傾向が強いため、ライブをタスクだと思ってしまいがちなんだけど、GRAPEVINEは私にしては珍しく期待していたらしい。
残念だけれど一番無念なのは本人たちかなあと思うと、どうかお気を取り戻してほしいという気持ちの方が大きくなる。
GRAPEVINEが好き、と言っても私の周りにはまず伝わらない。
たまに知ってる人にも出会うが、たまにだ。多くは初耳。
まあ年代も年代だから仕方がないのだけど、こんなに素敵なのに知らないなんて勿体ないなーという思いでいっぱいになる。
私がGRAPEVINEを知ったのは2019年2月。
ちょうどアルバム『ALL THE LIGHT』が発売された時期に、Spotify大先生からのプッシュがあった。
朝、寝ぼけ眼で再生ボタンを押した。
あのときはなぜか。
普段はおすすめされたものは聞かないのだが。
『すべてのありふれた光』が私のお目覚めソングになる。
GRAPEVINE - すべてのありふれた光 (Official Music Video)
(mv、味があります。)
そこからものすごい勢いでGRAPEVINEを聴き出した。
『光について』『スロウ』『風待ち』………
有名な曲や、時代順を覚えてきて、そこからは『Reverb』にハマった。
この曲が色気色気。
はち切れそうな欲望が切なく、恋しく溢れてしまっている。
YouTubeのコメント欄には賛同です。
どうして田中さん(ボーカルで歌詞を書いている)はこんなにも脆く危うい世界を、聞き手に伝えることができるのだろうか。
GRAPEVINEの曲の儚さや、覚えがないのに確かに感じる苦しさに、私は幾度となく切ない気持ちになった。締め付けられた。泣けない痛みを味わった。
(2018.11 大阪)
どうにもできない人間の本能的な感情や欲望、汚いもの醜いものも取り除かず、射抜いているから、私の無意識下に深く入り込んでいるのかもしれない。
繊細な美しい表現に刺される。
非常に細く鋭い刺。
GRAPEVINEの切なさを享受できる感性があってよかったと心の底から思う。
私のたまらなくたまらないバイン曲を詰め込んだプレイリスト、気が向いたら聴いてください。
私専用すぎて恐縮ですが、至高です。