毎日のふんばり日記

不器用な筆者ですが、考えて、書いて、を繰り返して、日々を記録しています。ブログタイトルを押すと最新記事に飛ぶので、記事一覧は★記事一覧はこちらからどうぞ。

猫を抱いて象と泳ぐ

私はコレクター気質があるので、読んだ本は書き残したくなります。

今日はそんな気質から、1冊の本をご紹介。

『猫を抱いて象と泳ぐ』

10月に古本屋で見つけ、前情報も何もなく、タイトルに惹かれて買ってきました。初・小川洋子作品です。

チェスにまつわるお話で、主人公が一風変わったやり方でチェスの世界を旅する物語です。

読むのに3ヶ月以上かかってしまいましたが、先日ようやく読了しました。

読み終わったら小川洋子好きな母に貸そうと思っていましたが、数年前に読んだとのことだったので、感想を話し合いました。

 

ストーリー全体の印象について

私はあまり気に留めなかったのですが、母は悲しいお話だという印象があると述べていました。

確かに、全体的に陰がかった物語ではありますが、慎ましく、美しい世界が描かれています。何より場の表現が的確で、昼下がりの光が差す温かい場面、深夜の地下深く冷え切った場面、ほこりっぽい場面など、その場その場の描写がありありと浮かんできます。そのどれもが丁寧に描かれていて、美しい。

また、主人公の視点で話が進むのですが、主人公の冷静さや寛大さのおかげで、落ち着いて読むことができました。どっしり構えてと言いますか。なので、あんまり憎たらしい印象を抱く登場人物はいなかった。それも主人公の優しさのおかげです。

そして、ストーリーの展開も驚くもの。これはネタバレになるので書きませんが、面白かったです。

 

小川洋子といえば、『博士の愛した数式』ですが、すっ飛ばしてこちらを先に読んでしまったので、いつか博士の方も読みたい。

そういえば、高校の数学の教師が授業中に博士の愛した数式について言及していた気がします。その頃は読書に目覚めていなかったのですが、当時から読書をしていたら、どんなに豊かな知見を育めただろうか、と思うと少し残念です。

まあ過去を嘆いてもどうしようもないので(今が一番若い!)、これからも読書をコンスタントに続けていきたいです。

 

小説を読むと別世界に行った気がして、現実のことを忘れられるからいいです。

なので、小説とその他の本を2冊並行して読むスタイルが好きなのですが、そんなことをしているからどちらも読むのに数ヶ月掛かってしまうのですね。

まあ好きな小説は読み終わってしまったら寂しくなるのですが、そういうときは友達が増えたと思うといいです。ある小説を読み終わったとき、寂しくなりながらあとがきを読んでいたら、作者が「この本を友達にしてくれたら嬉しいです。」と書いていて、自分と同じことを考えている!と嬉しくなったことを思い出します。